夢は、叶うから持つんじゃない。――べるぼとアマモリで考えた「夢を持つ勇気」の話

夢は、叶うから持つんじゃない。― べるぼとアマモリの人生問答
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Umbrella Paradeという物語について

Umbrella Paradeは、僕が作っている物語です。

物語の中心にいるヴェル13世は、一度夢に挫折しながら、それでももう一度、大きな舞台へ向かって歩き始めます。

この物語では「雨」と「傘」が大切なモチーフになっています。

雨を消す物語ではなく、雨が降ったままの世界で、それでもどう歩いていくのかを描いています。

そしてアマモリは、その物語を記録する存在です。

この「べるぼとアマモリの人生問答」では、そのアマモリと話すような形で、僕自身の人生についても考えていきます。

最近、そんなUmbrella Paradeのコンセプトについて、改めて考えていました。

僕自身、今でもメジャーに行きたいと思っています。

もっと売れたい。

もっと大きな場所で歌ってみたい。

成功したい。

でも同時に、

「本当は、自分には無理なんじゃないか」

と思っている自分もいます。

それなのに、どうしても諦めきれない。

我ながら、よく分からない状態です(笑)。

何者にもなれなかった者の物語

Umbrella Paradeで掲げているのは、

「何者にもなれなかった者が、何者かになろうと葛藤し、再挑戦していく物語」

というコンセプトです。

でも、改めて考えてみると、ここにはまだ答えの出ていない問いがたくさんありました。

そもそも、何者にもなれなかった人が、もう一度何者かになろうとすることに、どんな意味があるんだろう。

叶うかどうかも分からない夢を、もう一度持つ意味なんてあるんだろうか。

そこで、アマモリに聞いてみました。

この物語は、誰のためにあるのか

べるぼ:

Umbrella Paradeでは、

「何者にもなれなかった者が、何者かになろうと葛藤し、再挑戦していく物語」

を掲げているけど。

ここから見える大義って何なんだろう?

このコンセプトは、どんな人にとって意味のあるものになれるかな?

アマモリ:

たぶん、「夢を諦めた人」だけじゃないと思う。

周りと比べて、自分だけ何者にもなれていないように感じている人。

昔はやりたいことがあったけど、何度かうまくいかなくて、

「もう遅いかな」

と思っている人。

才能のある誰かを見て、羨ましくなったり、悔しくなったりしている人。

また挑戦したい気持ちは残っているのに、もう一度傷つくのが怖くなっている人。

そういう人がUmbrella Paradeを見たときに、

「自分も、もう一回何かやってみようかな」

と思える。

もしそんな瞬間が生まれるなら、それだけでも、この物語には意味があるんじゃないかな。

Umbrella Paradeって、

「努力すれば必ず成功する」

という話ではないでしょう?

雨が止む保証がなくても、その雨の中で歩き始めることはできる。

そこに、この物語らしさがある気がする。

雨の中のパレードを見つけること

確かに、ヴェル13世は最後まで「雨を晴らす力」を手に入れません。

できなかったことが全部できるようになって、物語が終わるわけではない。

自分にないものをすべて手に入れて、完璧な存在になったわけでもありません。

それでもヴェルは、自分にしかできない「雨の中のパレード」を見つけます。

そこで、もう一つ気になりました。

「何者か」になった先にある幸せ

べるぼ:

じゃあ、自分なりの「何者か」になった先には、どんな幸せがあるんだろう?

アマモリ:

もしかしたら、

「この人生でよかった」

と思えることかもしれないね。

誰かになれなかった自分を、ずっと失敗として見るんじゃなくて、

「あの時間も、自分の人生だった」

と思えるようになる。

過去の失敗も、遠回りも、悔しかった時間も消えない。

でも、それまで全部を含めて今の自分につながっていると思えたら、見え方は少し変わるのかもしれない。

それに、自分が歩いている姿を見た誰かが、

「自分も少しやってみようかな」

と思うこともある。

そうなったとき、

「何者にもなれなかった自分」

だったはずの人生が、

誰かに何かが届く人生に変わっていくこともあるんじゃないかな。

それでも、まだ成功したい

ここまで話して、僕は少し引っかかりました。

だって僕は、そんなにきれいじゃないからです。

今でもメジャーを掴みたい。

成功したい。

もっと大きな場所で歌いたい。

まだ諦めたくない。

べるぼ:

こんなコンセプトを掲げてるのに、

僕はメジャーを掴みたい。

成功したい。

まだ諦めたくない。

と思うのは、何なんだろうか(笑)。

アマモリ:

別に矛盾してないんじゃない?

ヴェルだって、全然悟ってないし。

認められたかった。

もう一度、大きな舞台に立ちたかった。

だから、また歩き始めた。

Umbrella Paradeって、

「成功なんてどうでもいい」

という話じゃないと思う。

成功したいと思っていてもいい。

ただ、

成功するまで今の自分には価値がない、

とまで思わなくてもいい。

そういう話なんじゃないかな。

雨が止むまで待ってから夢を見るんじゃなくて、

雨が降ったままでも、行きたいところへ向かってみる。

ヴェルがやったのも、たぶんそういうことだよ。

夢を持つ勇気という言葉

その話を聞いて、昔、恩師から聞いた言葉を思い出しました。

恩師が言っていたのは、

「夢を持て」

ではありませんでした。

「夢を持つ勇気を持て」

という言葉でした。

べるぼ:

僕は、これを実現したいのかな?

アマモリ:

それは、かなり近い気がする。

「夢を持て」って、場合によっては苦しい言葉だと思う。

何度も失敗している人にとっては、夢を見ること自体が怖くなることもあるから。

また失敗するかもしれない。

また笑われるかもしれない。

期待して、また傷つくかもしれない。

だから、その前に必要なのは、

「もう一度、望んでもいい」

と思えることなのかもしれない。

Umbrella Paradeが何かできるとしたら、夢そのものを渡すことじゃない。

もう一度夢を持ってみようかなと思える、ひとつのきっかけになること。

それくらいが、ちょうどいいんじゃないかな。

叶う保証がなくても、夢は今日を変える

その答えを聞きながら、僕は少し極端なことを考えました。

例えば、80歳を超えた人がメジャーデビューを目指したとします。

現実的に考えれば、とても難しい。

でも、その人が本気で目指したとしたら。

そこには、どんな意味があるんだろう。

80歳の夢にも、明日は宿る

アマモリ:

結果だけを見れば、

「メジャーデビューできたか、できなかったか」

になるのかもしれない。

でも、夢を持った瞬間から、その人の一日は少し変わると思う。

明日のために練習する。

新しい曲を覚える。

人に会う。

応募してみる。

失敗して悔しがる。

80歳でも、

「これから何かが起きるかもしれない」

と思いながら明日を迎える。

そのこと自体に、何の意味もないとは、ぼくには思えないな。

叶う保証と、夢を持つ意味は同じではない

もちろん、

「何歳からでも夢は必ず叶う」

と言いたいわけではありません。

現実には、努力だけでは越えられないものがあります。

年齢もある。

才能もある。

環境もある。

運もある。

Umbrella Paradeにも、人の力だけではどうにもできないものを考えるための「天律」という言葉があります。

でも、

叶う保証がないことと、夢を持つ意味がないことは、同じではない。

夢は、未来の結果を手に入れるためだけにあるものではなく、

今日を生きる力になることもある。

これは今のところ、僕の中ではかなり大きな答えになっています。

でも同時に、本当にそれだけでいいのかとも思います。

結果が出なかった努力を、本当に無駄じゃなかったと思えるのか。

年齢を重ねても、同じことを言えるのか。

成功したとしても、その次を求めてしまう自分はどうするのか。

正直、まだ分かりません。

たぶん、この先も考えていくことになるんだと思います。

雨の中で傘が開いていく

Umbrella Paradeでは、ヴェルの歌を聴いた一人の少女が傘を開きます。

その姿を見て、また一人。

そしてまた一人。

やがて会場は、色とりどりの傘で埋まっていきます。

あの場面で描いているのは、

雨が止んだから人々が歩き出した、

ということではありません。

雨は、降ったままです。

それでも誰かが一歩を踏み出す。

その姿を見た誰かの中に、

「自分も少し歩いてみようかな」

という気持ちが生まれる。

その連なりが、Umbrella Paradeなのかもしれません。

誰かが夢を叶えたから、みんなが歩き出すんじゃない。

誰かが、

叶うか分からない夢に向かって歩いている。

その姿が、別の誰かの中に、

「自分も、もう一度」

という気持ちを生むことがある。

だから今、僕がこの作品を通してやりたいことを言葉にするなら、

何者にもなれなかったと感じている人が、

もう一度何かを望んでみようと思えるような、

ひとつのきっかけを作ること。

なのかもしれません。

夢を持つ勇気だけは、まだ手放したくない

僕自身もまだ、夢の途中にいます。

メジャーに行きたい。

成功したい。

まだ諦めたくない。

それが叶うのかは、僕にも分かりません。

というか、ときどき、

「たぶん無理なんじゃないか」

と思っています。

それでも、

夢を持つ勇気だけは、まだ手放したくない。

雨は、止まらないかもしれない。

それでも、その雨の中で、

僕はもう少し歩いてみようと思います。

まだ叶うか分からない夢の記録

アマモリ:

……じゃあ、そのまま記録しておくよ。

夢が叶った人の記録じゃなくて、

まだ叶うか分からない夢を、それでも持ち続けている人の記録として。

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この記事を書いた人

べるぼ(Noise In My Soul)
音楽クリエイターチーム「Noise In My Soul」ファウンダー。
ベルボトム愛に溢れた結果、日本ベルボトム協会創設し代表に。
才雅アカデミー所属タレント。

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